私たちの想い
山の暮らしの豊かさを、みなさんと分かち合いたい
私たちが営む「月夜見山荘」と「おすくに」がある山梨県早川町(はやかわちょう)。ここは、南アルプスの山懐に抱かれた、日本一人口の少ない町です。
南アルプスの3,000m級の山々は、ここで暮らす人々に豊かな山の恵みをもたらしつつも、 ときに牙を剥き、山の民に生きる知恵と技術、そしてたくましさを育ませました。
早川町には、厳しくも豊かな自然の中で、先人たちが長い年月をかけて培った、 山で豊かに暮らすための生活の知恵や技術、そして精神が今も息づいています。
そうした暮らしは、賢く、美しく、潔く、とても心豊かです。
「月夜見山荘」と「おすくに」を訪れていただいた皆様には、 私たちが感じてきた「山の暮らしの豊かさ」で、 精一杯おもてなしさせていただきます。
南アルプスの山ふところで、宿と食堂を営む理由
早川町は、背後にある3,000m級の連山がつくり出す、迫力ある渓谷の真っただ中にあります。
しかし、この厳しくも魅力的な大自然のふところを『生きる地』と選んだ先人たちが、長い時をかけて培った、愛すべき暮らしぶりなら満載の町でもあります。
さまざまな生活の知恵や技術、驚くべき勇気と根気、想像もしなかった日常の娯楽や山ならではのグルメ…。それらに魅了されて移住し、20年が経ちました。
しかし、20年前と今とでは随分と状況が変わってきています。
私達が愛おしく思う山の暮らしは、やはり急速に失われつつあるのが現実です。
それを失いたくないなら、やはり今こそ、私たちに相応しいやり方で、山の暮らしの価値と魅力を人々に伝え分かち合うための挑戦をしてみたい、と思いました。それが、この宿と食堂です。
この地の住まい方を記憶する古民家でお過ごしいただきながら、何か共感するものを見つけていただけたら。四季折々の料理を味わいながら、土地の恵みを大切に思っていただけたら。
移住20年目にして決断した、私たちなりの、山の暮らしの受け継き方です。
狭隘な山ふところは、日の出は遅く、日の入りは早い。畑も干し物も外遊びも、短い日照時間を大切に営まれます。人工物の喧噪から隔絶している深山の夜空は、晴れれば星は砂の数のごとく瞬き、月光であらゆるものの陰がつくり出されます。
一方、月が出ない夜は、一歩も先に足が出ないほどの漆黒の闇に包まれます。現代でもこんな夜が味わえるのです。
月は山人の長い夜を彩り、昔から最も身近な暦であり、たくさんの想像力をかき立ててきました。山の民の夜なべ仕事は、お月様との長い対話の時間でもあったと想像します。
私たちの暮らす集落の氏神様は、奇しくも月夜見命(つくよみのみこと)。宿の名「月夜見山荘」、食堂の名「おすくに」は、最も身近な氏神様から拝借いたしました。
月夜見山荘での御滞在、おすくにでのお食事を通し、皆様と『山の暮らしの豊かさ』を分かち合うことができましたら、それ以上の喜びはございません。
山の暮らしの様子 →他の記事はこちら
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一昨日、今シーズン初の雪が降りました。積雪量は5cmぐらい。 そして昨日は雨。おかげで路面の雪はすっかり溶け、雪かきせずに済みました。 本日、庭先を見ると可愛いフキノトウが顔を出してました。3月に入って気温は乱高下しておりますが、きっと春は間近です。 このフキノトウ、しばらくの間、天ぷらに使っていきます。
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今シーズンの猟期も終盤に差し掛かってきました。鴨撃ちは2月15日で終わってしまい、これから3月15日までは鹿と猪の猟になります。昨日は、大先輩に山を教えていただきながら、初めての場所で巻狩り。寒波襲来、薄曇りで風吹き荒ぶ極寒の中、2時間弱まぐさに張りましたが、残念ながら獲れず…。犬はモノを追っていたんですけどね、獲物の方が一枚上手で人が張っている場所まで下りてきませんでした。でも、うまくいかなかった時はそれはそれで学びがあります。犬をこっちから入れてたらどうなっていたか、もう少し山の中にまぐさを張ったらどうだったのか、などなど頭を巡らしながら仲間と次に向けての改善策を考えるその時間がまた楽しい。決して負け惜しみではありません笑。ということで、写真はこの一枚!とっても寒そう〜。次回は獲物と獲物の姿が、獲れ撮れますように。
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昨日は、河口湖まで遠征してワカサギを釣りに(仕入れに笑)行ってました。渓流が禁漁の秋から冬にかけて、お客様にご提供できる貴重な地元の水産資源です(町内ではないですが)。 富士山が綺麗に見えるロケーションの中、快適な環境のドーム船の中でのワカサギ釣り。平日にも関わらず同行してくれたベテランお二人からの指導の下、入れ食いの時間帯もそれなりにあり、釣果もそこそこ。とっても楽しい1日となりました。 仕事と称して釣りができるのは、この仕事冥利。そして、その環境が身近にある山梨県はやはり最高です!このワカサギたち、山菜が本格化するまでの間、コース料理のなかでご提供していきたいと思います。(最後の写真は昨夜の試食です笑)
- タネツケバナが目につく季節になりました。on 2025年2月5日 at 4:30 AM
この冬最大の寒波がやってきています。雪は降っていませんが、太陽が出るまでとにかく寒い。 そんな中でも、日中はそれなりに暖かく季節は徐々に春に向かっていて、おすくに周辺でもタネツケバナ(可食)が目につくようになってきました。 この植物はアブラナ科の植物で、カラシナのようにピリッと辛く、クレソンのように少し苦い、そんな味で、おすくにでは主に天ぷらに活用しています。天然食材の乏しい冬の貴重な野草ですね。
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本日は奈良田集落に出張。 民謡他、奈良田の伝統文化の保存継承に努めるグループ「白樺会」の新年互礼会にお邪魔して、先週水車小屋で碾いた蕎麦を打たせてもらいました。 合わせて、焼畑他で栽培した早川在来の雑穀類もご提供いただき、お弁当もご提供。 町内産のそば、たかきび、もちあわ、うるちあわ、うるちきび、エゴマを使って料理をする機会なんてそうそうないので、私たちもいろいろと学びながら楽しく料理させてもらいました。 作った雑穀料理は、高黍と猪肉のミートローフ、島根芋の高黍餡、ヒエと干し椎茸の天ぷら、粟飯、蕎麦味噌、冬菜の荏胡麻和えなど。 貴重な機会をいただいた奈良田の皆様、本当にありがとうございました。
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本日は、当店と川を挟んで対岸にある早川集落の水車小屋をお借りして、蕎麦の製粉作業。 今回製粉したのは、なんと!奈良田集落に住む友人が焼畑で栽培した蕎麦!!早川町内産の蕎麦も見かけることがほとんどない昨今、町内産かつ焼畑での栽培となるとさらにレアな代物です。 ここでの粉碾きも数回目で、みなさん慣れたもの。水車が回る音、石臼がゴロゴロと回る音、石臼の間から出てくる蕎麦粉。いい雰囲気です。 来週、この粉で蕎麦を打ち奈良田集落のみなさんに振る舞うという大役を、昨年に引き続き仰せつかりました。どんな蕎麦になるのか、そして集落の方々からどんな反応があるのか、今からドキドキです。 山を切り開き畑にするところから始まり、信じられないぐらいの重労働に重労働を重ね大切に栽培された蕎麦。いつも以上に気持ちを込めて打ちたいと思います。
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今シーズン、既に籠を鉄砲に持ち替えたはずなのに、出会ってしまったコガネタケ。ありがたくいただきます。
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本日11月15日は狩猟の解禁日! キノコ狩りに後ろ髪をひかれつつも籠を鉄砲に持ち替え、所属する狩猟グループの初猟に参加してきました。でも今年はなんだか山の様子が。綺麗な紅葉を見ながらの猟は初めてかも。 猟の方は、無事2頭の大きな鹿が獲れ、幸先の良いスタート。今期も安全に気をつけながら、猟を楽しみにたいと思います。
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見置きしてきたクリタケの様子が気になり、いてもたってもいられずランチ営業後に山へ。クリタケは残念ながら根こそぎ採られていた。 しかし!とぼとぼ歩いてる帰っていると、向こうにキノコタワーが!どうせ、ツキヨタケだろと思いながら近づくと、なんとムキタケタワー! 大きい買い物袋4つの大収穫!! 捨てる神あれば拾う神あり。山の神様、本日もありがとうございます。
- 本日のキノコパトロールon 2024年10月7日 at 1:00 PM
定休日はもちろんキノコパトロール。 今週はナラタケ、ハナイグチ、クリタケ、ムラサキシメジ、サクラシメジ、コウタケなどにも出会うことができました。山の神様に感謝です。 ハナイグチも出始め、いよいよ秋本番。早いもので、今シーズンのキノコパトロールもそろそろ後半戦に突入ですね。 うーん、でも、あと何回山に行けるのか…。鹿肉の在庫もまた減ってきたから罠もかけたいし…、後回しになっている薪割りもしたいし、蜂蜜もそろそろ絞らなければ…。山の暮らしは、体がいくつあっても足りません笑。 そんなこんなでドタバタな秋を満喫中。